2022年1月11日が『鏡開き』の日になります。
鏡開きとは、お正月の間に飾っていた鏡餅を食べる日のことです。
日本古来の行事には色々な意味がありますので、鏡開きについて調べてみました。
なぜ鏡餅を食べる日を『鏡開き』っていうの?
鏡開きは鏡餅を割るという意味ではなく、末広がりを意味する『開く』というところから、『鏡開き』と呼ばれるようになりました。
では、お餅はなぜ『鏡餅』と言うのでしょうか?
鏡餅は、丸い形をしていた古来の鏡である銅鏡に由来しています。鏡には神様が宿ると考えられ、神事に使われていたほどです。三種の神器(鏡・剣・曲玉)のうちの1つ『鏡』、その形を模した餅を鏡餅と言うようになったようです。
お正月には、歳神様が門松やしめ飾りを目印に家々を訪れ、鏡餅に宿ると言われています。松の内に鏡餅をお供えするのはそれが理由です。そして松の内が過ぎると鏡餅を食べ、その力を授けてもらい1年の家族の無病息災を祈るのです。
つまり、鏡餅は供えて、開いて、食べてこそ意味があると言えますね。
お正月にお供えする習慣ができたのが室町時代以降と言われています。
さらに、鏡開きは江戸時代初期に武家から始まった行事です。鏡餅に刃物を使うことは切腹を連想させるため、手や木槌などで割ることになりました。
実際は割るのですが、そのまま『鏡割り』にならなかったのは、割るという表現が縁起が悪かったからなのです。
2022年の鏡開きは1月11日
鏡開きは毎年1月11日で、年によって変わることはありません。
一般的には1月7日までの松の内が明けた1月11日になります。松の内が15日までという地域では、1月15日~20日に行うところもあります。
もう少し細かく説明すると、
- 関東地方やその他の地方の一部→1月11日が多い
- 関西地方→1月15日や20日になっていることが多い
- 近畿地方の一部や京都→1月4日になっている場合もある
・・・なぜこのように地域によって日程が違うのでしょうか?
いろいろな説がありますが、そのうちの2つについてご紹介しておきます。
【説その1】鏡開きは一般的に『松の内』の後に行います。松の内とは門松を飾っておく期間の事を指し、その間は歳神様が家にいると考えられています。この松の内が、昔は元旦から1月15日とされており、鏡開きは1月20日に行われていました。しかし、徳川家光が4月20日に亡くなったのを切っ掛けに、関東近郊では20日という日が忌日として避けるようになり、これに伴って鏡開きの日も1月20日から11日に変更され、松の内も1月7日までと短縮されたという説。
【説その2】1657年に江戸で起こった『明暦の大火』の反省で、燃えやすい松飾を1月15日まで飾るのではなく、早めに片付けるために松の内の期間を短縮。それに伴い鏡開きの日にちも変更になったという説。
どちらにしても、徳川幕府の力が強く影響しない関西地域では、前のままの1月20日を鏡開きとするところが多く存在しています。
鏡開きの由来とやってはいけない禁止事項
鏡開きは、お供えされた鏡餅を食べることで神様とのつながりを強め、それによって神様に守っていただけると考えられたことから始まりました。そこには無病息災を願う意味も込められています。
その鏡開きをする際に、やってはいけないことがあります。
それは包丁などの刃物で鏡餅を切り分けることです。
歳神様にお供えしていたものに刃を向けるというのは大変失礼とされています。
そのため、昔から鏡開きの時には木槌などで叩いて割っていたのです。
さらに鏡餅を割ると、必ずかけらや粉が出ると思います。
その時に出る小さなかけらも捨ててはいけません。
お雑煮・うどんなど、汁物に入れて煮込んで必ず全ていただくようにしてください。
鏡餅を柔らかくする方法
鏡餅は割るというイメージですが、ふやかす方法を使うと簡単に柔らかくすることができますよ。
方法は簡単です。
①まるごと水につけて半日ほど置いた後、②耐熱容器に入れてラップをして電子レンジで加熱します。(20~30秒ずつ設定し、様子を見てください)
手でちぎれるくらいのやわらかさになったら、食べやすい大きさにちぎればお雑煮やお汁粉が簡単に作れますよ。あまり一気に長い時間レンジで加熱するとお餅が溶けてしまうことがあるので注意が必要です。
柔らかくしたら、お汁粉やきな粉餅にして食べるのがおすすめです。意外かもしれませんが、ピザもおすすめです。
電子レンジでやわらかくした鏡餅を綿棒などで伸ばし、上にケチャップを塗ってウインナーやピーマン、玉ねぎ、トマトなどをトッピングしてチーズをかけてトースターで焼くと、餅生地のピザになります。お餅を伸ばす時はクッキングシートなどで挟んで行ってください。
また最近多数派なのは密封容器入りの鏡餅ですよね。
底面のフィルムに切れ目を入れ、底を上にして、電子レンジで数十秒程度温めます。水を張ったボウルに上半分を漬けて表面の粗熱をさっと取り、そこのフィルムをはがしてひっくり返せばスプーンなどで取り出せますよ。
柔らかくしなくてもおいしく食べる方法もあります。
お餅を一口大に小さく割って、油で揚げ、好みで塩やしょうゆをまぶしたものが、かき餅です。揚げたてでサクサクでとてもおいしく、おやつやおつまみにぴったりです。
まとめ
お正月の締めの行事が鏡開きです。
我が家は、餅が大好きなので1年中お餅は常備されているのですが、一応、鏡開きのお餅をいただくと、一旦区切りでお餅が食卓に並ぶ頻度はぐんと減るようになります。
お正月気分も終わりになりますよね。
ただ、これまで粉やかけらまですべて頂いていたかと言われるとそうでもなかったので、今年からはすべていただくよう注意し、家族の無病息災を祈ろうと思っています。
コメント