家族葬の挨拶状例文と注意点

一般

故人が亡くなったことをお知らせする挨拶状。受け取りの相手方は、年末に『喪中はがき』が来て初めて、故人が亡くなったことを知るということも珍しくはありません。

しかし、亡くなった時期によっては、喪中はがきでは遅すぎる場合もあります。
場合によっては、「なぜもっと早くに知らせてくれなかったのか?」とお怒りになられる方も少なくはないでしょう。

そのようなことにならないように、家族葬にて葬儀等が完了したことを知らせる『家族葬の挨拶状』を出すようにしましょう。

家族葬の挨拶状 例文

家族葬を終えた後に送る挨拶状として、以下の例文がシンプルで使えます。

母○○儀が八月一七日 六四歳で永眠いたしました

葬儀・告別式は故人の生前の希望もあり 親族のみで執り行いました

なお お香典や供花やお供えなどはご辞退させていただきたくお願い申し上げます

生前中に故人に賜りましたご厚情に心より御礼申し上げます

令和○年○月

喪主住所 ○○県○○市○○町○○-○○

喪主氏名 ○○○○

○○儀の『儀』は『○○に関する』という意味。

『儀』は身内に対して用いる謙譲表現。
身内に対して『○○様』と敬称を使うことは不適切です。かといって、呼び捨てにすることも好ましくないため『儀』を用いるようになりました。

なお、故人の親しい友人などに対して、家族葬の挨拶状を送っていたのでは遅すぎますので、先に電話やメールで知らせることになるかと思います。

その場合どのように伝えればいいのか?について、家族葬のため参列をお断りする旨を含め、別記事にて解説していますのでご覧ください。

>>>【関連記事】家族葬参列の断り方

家族葬の挨拶状 作成時の注意事項

家族葬の挨拶状には次のルールがありますので注意が必要です。

  • 一般的には縦書き
  • 行頭を揃える
    一文字下げることはしない
  • 文中に句読点(、 。)は使わない
    「、」にあたる部分は一文字空ける
  • 数字は漢数字で表記する
    住所等で漢数字では見ずらいときは数字を使用することもあります

家族葬の挨拶状に書くべき内容5点と例文

1.故人が亡くなったことを伝える

故人が亡くなったことを伝え、次の内容を書くことが一般的です。

  • 故人と喪主との関係性(父母・祖母・夫等)
  • 故人の氏名
  • 故人の年齢
  • 亡くなった日

なお、死因等を書く必要はありません。

義理の父の場合は『岳父』と書く場合と、『父』と書く場合がありますが、父と書いた場合は故人の氏名を苗字から書くようにすると相手に伝わります。

【例文】

  • 父○○儀が○月○日 ○歳で永眠いたしました
  • 母○○儀 かねてより療養中でしたが 去る○月○日○歳にて永眠いたしました
  • 岳父○○○○儀 ○月○日 ○歳にて静かに永眠いたしました

2.家族葬として執り行ったことのお詫びをする

家族葬という形はとても増えてきましたが、声をかけられなかった人は参列できないという都合上、声をかけなかったことへのお詫びの気持ちを伝えなくてはいけません。

一般葬は声がかからなくても参列できますから、このようなお詫びは不要です。故人が家族葬を希望していたということを加えるのが一般的です。

【例文】

  • 葬儀におきましては 故人の生前からの遺志により 誠に勝手ながら 身内のみで相済ませました
  • 尚 葬儀におきましては故人の生前からの遺志により 近親者のみで相済ませました
  • 葬儀におきましては 本人の遺志により 誠に勝手ながら 家族のみで執り行いました

3.お花・不祝儀・供物を辞退する場合その旨を伝える

家族葬の場合、後日弔問に訪れる人も多いでしょう。その時に、お花・不祝儀・供物を持参する人も多いので、辞退される方は必ず記しておきましょう。家族葬はお花や不祝儀等を受け取ってはいけないということではありません。受け取る場合は、この文章は不要になります。

【例文】

  • 尚 お供えやご香典につきましてはご辞退させていただきたくお願い申し上げます
  • 尚 誠に勝手ながらお供えやお花 不祝儀につきましてはご辞退させていただきます
  • 尚 お香典お供物お花などはご辞退させていただきたくお願い申し上げます

4.生前にお世話になったお礼をする

挨拶状は故人が亡くなったことを知らせるものであると同時に、生前に故人が賜ったご厚誼(親しくお付き合いして頂いたこと)に対してお礼を言うために出すものであります。今までの交友関係に感謝し、これまでのお礼をする一文を添えるのが基本です。

【例文】

  • 生前 父に賜りましたご厚誼に深く感謝申し上げ 書中にて謹んでご挨拶とお知らせを申し上げます
  • 生前故人に賜りましたご厚誼に深く感謝し心よりお礼申し上げる次第です
  • ここに生前のご厚誼に感謝し謹んでご通知申し上げ失礼ながら書中をもってお知らせ申し上げます

5.日付・喪主の住所・名前を添える

最後に日付と喪主の住所、名前を記します。日付は日にちまですべて書く場合と、月までの場合もあります。一般的に西暦ではなく元号を使います。

喪主の名前もフルネームだけの場合や、『長男』のような続柄を記したり、家族全員の氏名を書く場合もあります。ただし電話番号は入れません。緊急性がないためです。

【例文】

  • 令和二年九月  喪主住所  喪主名
  • 令和二年九月三十日 喪主住所 喪主妻○○ 長男○○ 長女○○
  • 令和二年九月三十日 喪主住所 親族一同

家族葬の挨拶状で絶対に書いてはいけないこと

家族葬の挨拶状を作成するときに気を付けないと、うっかりマナー違反を犯してしまういくつかの項目があります。ビジネスなど、一般的によく使用するものもあり、何気なく使ってしまいがちなこともあるので注意しましょう。

1.季節の挨拶

通常フォーマルな手紙を書く際、『○○の候』等の季節の挨拶から文章を始めますが、家族葬の挨拶状には不要です。いきなり本題でも問題はありませんし、気になる方は『謹啓』のような頭語から始めて、本題に入るのもいいでしょう。

ただ、頭語と結語はペアになっていますので、『謹啓』から始めたら『謹白』で終わります。よくある『拝啓』『敬具』より丁寧な表現となります。

挨拶を書かないのは失礼ではなく、挨拶を省くことで驚きや悲しみのあまり挨拶することも忘れてしまったということを表します。

2.正しい敬語を使用する

独特な表現で故人のことを『亡母 ○○儀』といった書き方をします。この『儀』は添え字で読み方はありません。『○○に関する』という意味で故人に対する謙譲表現です。

また、『逝去』は『死ぬ』の敬語にあたります。身内に使うのは不適切になります。『永眠』『他界』という言葉を用いるのが正しい使い方です。

3.忌み言葉を使わない

忌み言葉とは、読み方によっては縁起の悪さを連想させる言葉で、葬儀や結婚式などにおいて使用を控えた方が良いとされています。また、不幸が重なる、不幸が再び来るといった連想を避けるために次のような忌み言葉を使わないようにしましょう。

  • 『重ね重ね』『くれぐれも』『再び』『追う』などの重ね言葉
  • 『四』『九』などのように、『死ぬ』『苦しむ』を連想させる言葉
  • 『死亡』『生きているとき』などのように、生死を直接表す言葉

特に『くれぐれもよろしくお願いします』や『重ね重ね御礼申し上げます』などのような言葉は使いがちですので注意してください。

4.句読点は使わない

元々句読点は文章の区切りを表すものですが、家族葬の挨拶状には使用しません。

句読点を使わない理由は諸説様々あります。

  • 葬儀~法要が滞りなくおこなったことを示すために区切りを取ったという説
  • もともと毛筆を使って縦書きで書かれていたためという説

家族葬の挨拶文に限らず、正式な書面として出す挨拶状には句読点を入れないという考え方がありますので覚えておきましょう。

5.長文にしない

いろいろと書きたい人もいるでしょうが、亡くなったこと、葬儀が終わったことなどを伝えるのみにしましょう。

特に書面にする場合、一枚に収めるのが一般的です。二枚以上になると「重なる」という忌み言葉で不吉とされます。シンプルに伝えるべきことだけにすべきです。

書いてはいけない例文

次のような挨拶状はNGです。

早春の候、みなさまに於かれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

さて、先日○月○日、母○○が逝去しました。

故人の遺言により、葬儀は家族で粛々と行いました。

尚、供花、供物、お香典は受け取ることができませんので、ご了承ください。

生前、故人とお付き合いいただきありがとうございました。重ね重ね御礼申し上げます。今後は、家族ともくれぐれもよろしくお願いいたします。

令和二年○月

喪主 長男○○

家族葬の挨拶状はいつ、誰に、何で送ればいいの?

仏教の場合は四十九日のタイミングで送るのが一般的

家族葬の挨拶状を送るタイミングは、宗教によって多少異なりますが、仏教の場合は四十九日のタイミングが一般的です。

理由は、四十九日の法要で納骨をする人が多いからです。故人とのお別れにひと段落がついたことが考えられますね。

また、時期によっては喪中はがきにて挨拶状に代えることもあります。

亡くなったのが10月の場合、四十九日が終わるのは11月。喪中はがきは12月初旬までに出すことが一般的ですので、その場合は喪中はがきにてお知らせすることになります。

家族葬の挨拶文の冒頭に「喪中につき新年のご挨拶は失礼させていただきます」の一文を入れることになります。

喪主側、故人側ともに『友人・知人・職場関係』に送る

誰にどこまでの関係の人に送ればいいのでしょうか。故人とあらかじめ打ち合わせをしている場合は、故人の希望通りでいいでしょうが、そうでない場合は迷いますね。

まずは、喪主の友人・知人・職場関係の人です。
これは故人と打ち合わせをしている場合にリストに入っていなくても入れてください。

葬儀等の際は、職場等に休んだり迷惑をかけたこともあると思います。友人の中には故人と面識があった人もいると思います。そのような人にお知らせをしてください。

次は故人の友人・知人・職場関係です。同居しているなどよく故人の人間関係を知っていた場合は問題ありませんが、そうでない場合は今年~3年前くらいの年賀状を探してください。

年賀状のやり取りをしていた人には送ってください。故人の携帯電話の連絡先に登録されている人も確認してください。もちろん住所がわかる範囲になりますが。

迷ったらできるだけ広い範囲に送りましょう。訃報を知らされずに怒る人はいますが、知らされて怒る人はいません。また参列や供物を求めているものでもなく、返信が必要なものでもありませんから、受け取った人に何も負担はありません。送らずに後々連絡がないということでトラブルになるよりは、わかる限り広く送ることをおすすめします。

挨拶状ははがきで送る

家族葬の挨拶状ははがきで送るのが一般的です。参列等の確認もいりませんから、はがき一枚が通常です。

もちろん書面で作成し、封筒で送ることも可能です。その場合、封筒は二重になっている封筒は縁起が悪いとされていますので(重なるという忌み言葉です)、一重の白無地の封筒を準備しましょう。

最近はメールで知らせるという方もいらっしゃるようですが、感心できるものではありませんので、必ずはがきで送るようにしましょう。

まとめ

家族葬は現在もっとも増えている葬儀の形です。最近のコロナ禍もあり今後はより増えると考えられます。

家族葬は簡単に終わりそうというイメージがあるかと思いますが、家族以外にも人には複雑な人間関係がそれぞれにあります。

そのような人に故人の死とともに、生前故人と親しくお付き合いいただいたことへの感謝を述べるものが『家族葬の挨拶文』です。時期・言葉を間違えず、丁寧に送りたいものですね。

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