新聞やメディアなどでも「子供」「子ども」と混在した表記がされていますね。
そこで個人的に疑問に思ったんです。
- 「子供」と「子ども」それぞれ意味に違いがあるのだろうか?
- 表記は「子供」でも「子ども」でもどちらでもいいのだろうか?
今回は「子供」「子ども」の違い、表記はどっちが正しいのか?について調べたことをまとめました。
「子供」「子ども」意味は同じ。正しい表記は「子供」
「子供」「子ども」の違いは、漢字表記か漢字かな交じり表記の違いだけです。
意味は同じですので、内容によって「子供」「子ども」を使い分けなければならないということはありません。
それと正しい表記は「子供」ということで落ち着いています。(正しい正しくないの論争はここでは無視しますね)
正しい表記としたのは、2013年に文部科学省が公用文書において、「こども」の表記を「子供」に統一することを決めたことが理由です。
文科省、「こども」表記を漢字に統一 公用文書で
文部科学省はこのほど省内の公用文書の「こども」の表記を漢字書きの「子供」に統一することを決めた。
「子供」の表記は1973年の内閣訓令で、漢字表記とされた。ただ「漢字より柔らかい印象がある」として、各省庁とも漢字と平仮名の交ぜ書きの「子ども」を使う例が増えていた。
文科省は、子供と表記しても大人の「お供」のような否定的な意味はないと判断し、公用文書は漢字表記との原則を再確認。7月刊行の文部科学白書では語句を「子供」に統一した。
文化庁国語課によると「こども」という言葉は「子」の複数形として古くから使われ、江戸時代に「供」が当て字として使われるようになったという。
ここで疑問に思ったのですが、なぜそれまで「子供」と「子ども」と表記が混在していたのでしょうか?
調べていくうちにあることが分かってきました。
「子ども」という表記が混在するようになった理由
上の引用記事から分かるように、もともと公用文書では「子供」という表記を使っていたのですが、主に次の2つの理由から「子ども」という表記も使うようになったようです。
- 漢字より柔らかい印象があるとの理由から
- 「子供」の「供」が「お供」という否定的な意味を連想させるという理由から
最初の柔らかい印象は分かりますが、「お供」=否定的な意味については、こじつけのような感じがしてなりません(笑)
「子供」の「供」が「お供え物」を連想させる?
「供」という表記が「お供え物・大人のお供」といった差別的な印象を与えるという声があったため、過去、文部科学省においても公文書で使う場合は、「子ども」という表記を使うようにしたようです。
(「大昔、子を神様のいけにえに供えたため」というトンデモな説をとなる人もチラホラいらっしゃいますが、真相については私は分かりません)
ところが、先に引用でお伝えしたとおり、文部科学省は、2013年にそれまでの「子ども」表記を「子供」に統一することに決定しました。
「子供」の「供」に否定的な意味はないとの結論が出たということですね。
「こども」の意味と語源
こどもの意味は、子がたくさんいる=子の複数形という意味です。
トモ(供・友)から転じた語。いつも付き従い行動するもの、並んで行動する仲間の意から、同類のものが複数あることを表す。
引用:大野晋(2011年)『古典基礎語辞典』
ということは、子がたくさんいるという表記を別の形にすると、「子たち」や「子ら」が正解で、「子供たち」という表記は複数が重なっていることから間違いということになりますね。
こう考えると日本語ってムズカシイですね(汗)
まとめ
文部科学省の公用文書にならえば「子供」が正しい表記です。
しかしながら、今でも新聞やメディアなどでは「子供」「子ども」と2種類の表記がなされています。
「子供」「子ども」もどちらも意味は同じですので、あとは使い手の自由ということになりますね。
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