離乳食を始める時期は、人や本によっても色々な考え方があり、迷われるお母さんも多いのではないでしょうか。
実際、小児科の先生や家族から「4ヶ月ならそろそろ離乳食を始めなくてはね~」と言われ、もう始めるべき?と驚いているママも多数いるようです。
離乳食は生後4ヶ月から始める必要はない
離乳食は生後4ヶ月から始める必要はありません。ただ、絶対に始めてはダメというわけでもありませんが、始める必要はないでしょう。
離乳食を4ヶ月から始める必要がない理由
生後4ヶ月では、体の大きさに関わらずまだ胃腸が未熟です。そこに消化できないものを食べさせられると、体内で「異物」と判断してアレルギーにつながる恐れがあります。
ただし、絶対にミルク(母乳)だけでないとダメというわけではありません。胃腸は未発達とはいえ、生後100日過ぎると消化液が出始めます。・・・ということは、消化が出来る準備ができたということです。ですから、内容をきちんと合わせてあげるなら可能ということになります。
具体的には、
- 果実をすってこす
- すってこしたものをお湯で薄める
- お湯で薄めたものを小さじひと口から始める
- それを2週間かけて少しずつ増やす
- 次に野菜を1~4と同様の手順で食べさせてあげる
- それを2週間続ける
- それが終わると10倍粥(かゆ)へ・・・
という過程です。
最初にアレルギーにつながると書きましたが、もっと詳しく説明すると、早い離乳食がアレルギーに直結するのではなく、早いタンパク質摂取が問題なのです。ですから、タンパク質摂取に気を付けるなら4ヶ月からでも可能というわけです。
しかし、正直この方法は手間がかかり、お母さんの負担がとても大きくなります。そこまで手間をかけてまで、4ヶ月から離乳食を始めることはないということです。
昭和時代は4ヶ月から離乳食を始めるママが1/3程度もいましたが、現在は4ヶ月から始めるのは数%のママで、5~6か月から離乳食を始めるママが大半です。
離乳食の開始時期は遅くても良い、という認識が徐々に広がっていることがわかります。
離乳食はいつからいつまで?
離乳食は個人差がありますが、生後5~6か月ごろから始め、1歳6か月くらいで終わることが一般的です。
離乳食を始める目安
- 首がすわり、支えがあればお座りできる
- 人が食べているのを見てよだれが出るなど、食べたそうにする
- 赤ちゃんの口を指で刺激しても押し出さない
(舌や唇にふれたものを反射的にくわえようとする動きが少なくなった)
赤ちゃんのサインを見て、およそ5~6か月になったら始めましょう。
開始が7ヶ月以降になってしまうと、かむ力が育たないことも心配されますので、遅くとも6か月のうちにはスタートしましょうね。
離乳食初期(生後5~6ヵ月“ゴックン期”)
1日1回から始めます。
赤ちゃんが機嫌のいいタイミングを選んで、午前か午後の授乳タイムのうち1回にプラスするという形です。(ミルクを飲むと寝てしまう赤ちゃんもいますので、授乳の前に1口というようなイメージです)
スタートは小児科が診療をしている時間帯にするようにしましょう。万が一何かあったときに、すぐ問い合わせをすることができるようにするためです。
1ヶ月の間に1日2回食へ増やすことを目指しましょう。
【この時期に食べられる食材】
にんじん・かぼちゃ・ほうれん草・トマト・ブロッコリーなど野菜は多く食べられます。
また果物は、
- バナナ
- リンゴ
- 桃など
も可能ですが、アレルギーの心配もありますので・・・
まずは野菜、そして果物の場合はほんの少量から始めてください。バナナも加熱してから与えるとアレルギーの予防になりますよ。
離乳食中期(生後7~8ヵ月“モグモグ期”)
1日2回のまま進めましょう。
ミルクぱん粥
- 食パン6枚切り1/4枚をこまかくちぎる
- 牛乳と水各1/3を加えて弱火で煮る
- やわらかくなったら蓋をしてしばらく蒸らす
- 完成!
わが家ではこれにきな粉を混ぜていました。子どもには大好評!
チーズ風味の野菜スープ
- 玉ねぎ・トマトなど合わせて20gを3~5mm程度のみじん切りにする
- かぶるくらいの水を加えて弱火で煮る
- やわらかくなったらスプーンなどでざっとつぶす
- 粉チーズ小さじ1を加えて火を止める
注意!赤ちゃんに食べさせるときは冷ましてからにしましょう!
離乳食後期(生後9~11ヶ月ごろ“カミカミ期”)
離乳食は1日3回、決まった時間帯に食べさせ、食生活のリズムを作る時期です。
フレンチトースト
【用意するもの】
- 食パン8枚切1/2枚
- 果汁100%オレンジジュース大さじ4
- 溶き卵1/2個
- バター
【作り方】
- 食パンを手づかみにしやすい大きさに切る
- バットに1を並べ、オレンジジュースをかけてふやかす
- フライパンにバターを溶かす
- 2を1切れずつ溶き卵にくぐらせて並べる
- 卵に火が通るまで両面をこんがりと焼く
ベビー肉じゃが
【用意するもの】
- じゃがいも中1/5個
- 玉ねぎ1.5cm幅くし型切り1個
- 牛赤身薄切り肉10g
- だし1/2カップ
【作り方】
- じゃがいもは皮をむいて7mm角に切る
- 玉ねぎは薄切りにして荒く刻む
- 牛肉はこまかく刻む
- 鍋にだし、じゃがいも、玉ねぎを入れて柔らかくなるまで煮る
- 牛肉を加え、アクを取りながら火が通るまで煮る
離乳食完了期(1歳~1歳6ヶ月ごろ“パクパク期”)
1日3回の離乳食が定着し、家族と同じ食事リズムに移行します。決まった時間帯に食べさせ、食生活のリズムを作る時期です。
1日3食+おやつを1~2回とリズムを定着させ、決まった時間に食事をすることがポイントです。
朝ごはんは7~8時までに終わること、夜は18~19時くらいを目安にして、遅くなりすぎないようにしましょう。
食生活を整えることで、お昼寝・おやつの時間も整い、夜の睡眠もしっかりとれるようになります。
離乳食を作る時の注意点とおすすめベビーフード
離乳食は自炊するべきか、それともベビーフードを買うべきか・・・迷われる人が多いようです。
コスパを考えるなら、やはり自炊です。ですが、結構手間ヒマがかかるんですよね。かといって、すべてベビーフードにするとコストがかかって仕方がない。
自炊とベビーフードの割合を調整して、上手に乗り切るのが賢い方法ではないでしょうか。
まずは、自炊で離乳食を作る場合に注意すべきことからみていきましょう。
離乳食初期 生後5~6ヵ月
この時期は、栄養よりもトロトロ状の食べ物をスプーンでゴックンと飲み込むことになれるのが目標です。
初日は10倍粥小さじ1杯からスタート。
その後1日おきに1杯ずつプラスし、1週間かけて小さじ3杯くらいまでに増やします。
最終的に慣れてきたら大さじ2~3杯まで食べられることが目安です。
10倍粥に慣れてきたら、2~3週間かけて野菜を1種類、豆腐や白身魚などを1種類の順でプラスしていきます。赤ちゃんの反応に合わせてお粥に混ぜても大丈夫です。
離乳食中期 生後7~8ヵ月
なめらかにすりつぶす、裏ごしするのは卒業の時期です。絹ごし豆腐くらいの柔らかさが目安です。
ゆっくり食べさせ、舌でつぶして飲み込む練習をする時期です。鶏のササ身や鮭など食べられる食材も豊富になります。卵も最初は完全に火を通した固ゆで卵の卵黄から始めましょう。
離乳食後期 生後9~11ヶ月
栄養のメインもミルクから離乳食へ移りますので、様々な食材にチャレンジしましょう。
また手づかみ食べや遊び食べも盛んになり、お母さんは大変ですが、赤ちゃんには大切な過程です。小さな手でも持ちやすいひと口サイズのメニューもおすすめです。
離乳食完了期
この時期は、ごはんも軟飯から普通のごはんに、野菜などもやわらかめの肉団子くらいの以前よりは少し硬めに茹でてください。
量も子ども茶碗八分目くらいまで食べられるようになり、家族とほとんど同じメニュー(味付けは薄目で)が食べられるようになります。
離乳食作りに便利なアイテム
【小さめのお鍋】
家族用のお鍋でもゆでたり・煮たりできますが、量も少ないので、小さな鍋の方が効率的です。離乳食を卒業しても、お菓子作りなど活用できますよ。
【すり鉢・すりこぎ・裏ごし器】
これは必須アイテムです。これも小さめのものがおすすめ。
【小分けできる保存容器】
わが家は、製氷皿を活用して出汁を小分け保存していました。出汁の氷を作るってことですね。他にもたくさん小さい保存容器は販売されていますので、それを用意し、様々な野菜も一度に多めに茹でておいて、小分け保存しておくと組み合わせを変えるだけで色々な離乳食が簡単にできます。
【おすすめベビーフード】
和光堂 手作り応援 和風だし
お湯で作れる粉末タイプで小分けされています。サッと溶けて溶け残りも少ないので、スープとしてそのまま食べさせてもOK。おかゆや野菜ペーストの風味付けとしても便利です。
和光堂 手作り応援 かぼちゃとさつまいも
こちらも小分けになっている粉末タイプのベビーフードです。手作りすると手間のかかるかぼちゃとさつまいものペーストがお湯で簡単に作ることができます。
アレンジもしやすいので初期から後期まで長い期間使えますね。
ピジョン かんたん粉末 野菜スープ
ジッパーつきのパッケージに入った粉末タイプの野菜スープです。大人が口にしてもおいしいと感じられるほど、味も風味も濃くなっています。スープとして食べさせる場合は、お湯の量を調整して薄味にしてあげてくださいね。
ピジョン かんたん粉末 野菜スープ(50g*2コセット)【かんたん粉末】
キューピーベビーフード
そのまま食べさせられる瓶詰めのベビーフードです。温めなくても十分食べさせられるため便利さでは最高評価。
賞味期限が長いから買いだめできて便利!赤ちゃんがいるおうちでは非常食として常備しておくといいですね。一方で、味がしっかりしていてやや塩味が強いものもあるので、月齢が小さい子は特に調整をしてください。
まとめ
離乳食は、お母さんにとってとても楽しみなものであり、緊張したり不安になったり色々悩まされるものです。
栄養や消化のことばかり意識しそうですが、つかみ食べ・遊び食べなどは食事を通して手先の訓練になったり、赤ちゃんの食への興味につながったりするものです。食事マナーはまだ先です。お母さんも赤ちゃんも楽しんで食べれるような雰囲気を作ってあげてください。
身体の成長、言葉の発達など子どもの発達のスピードは個人差があります。離乳食も当然個人差があります。この月齢だから、これを食べなくては!うちの子はどうして食べないの?とお母さんが焦るのではなく、赤ちゃんの反応を見ながらのんびりすすめてください。
あまり育児本やネットの情報を意識しない方がお母さんも落ち着きますよ!
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