水虫に悩む方が多い中、「酢で水虫を治せる」という民間療法が話題になることがあります。
まず結論として、酢だけで水虫を完治させるのは難しいというのが現実です。
今回は、NHKの「ためしてガッテン」で検証された「酢を使った水虫治療法」の効果と限界、さらには最新の治療法や再発予防策についてお話しします。
個人的な体験談や新しい市販薬の紹介もあるので、ぜひ参考にしてください。
水虫に酢は効くのか?ためしてガッテンの検証結果
NHKの「ためしてガッテン」でも、水虫に対する酢の効果が検証されましたが、酢だけで水虫を完治させることは難しいとされています。
ただし、酢には殺菌作用があり、水虫の症状を一時的に緩和する補助的な役割は期待できるようです。
ためしてガッテンでの検証結果を解説
「ためしてガッテン」で行われた実験では、水虫に対する酢の効果が検証されましたが、結論として酢で水虫を完全に治療するのは難しいという結果が得られました。
白癬菌(はくせんきん)は皮膚の奥深くに入り込みますが、酢は主に表面的な菌にしか影響を与えないので、症状の一時的な改善は期待できても、再発を防ぐには不十分ということが分かりました。
酢が水虫に与える効果と限界
酢には確かに強力な殺菌作用がありますが、水虫の根本原因である白癬菌を完全に殺すことはできません。
酢の効果はあくまで一時的で、症状の軽減や悪化の予防には役立つかもしれませんが、完治を目指すならば抗真菌薬が必要です。
特に、爪の水虫(爪白癬)には酢はほぼ無効であり、医師の診断を受けた上で適切な治療を行うことが良いとされています。
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お酢以外の民間療法はどうなのか?
「ためしてガッテン」では酢以外の民間療法も検証されました。
例えば、ニンニクを塗ると若干の効果が見られたものの、アロエや緑茶には効果がありませんでした。
ただ、こうした民間療法は場合によっては皮膚障害を引き起こすリスクもあるので、自己判断で試すよりも、医師に相談しながら治療する方が安全です。
酢を使った水虫治療の効果と注意点【安全に使うために】
酢に含まれる酢酸は、白癬菌などの水虫の原因となる菌の増殖を抑えることはできます。(酢の殺菌力は皮膚の奥に潜んでいる白癬菌には届かない)
学術的な検証では、白癬菌は40℃の酢に20分間浸けると死滅することがわかっています。
酢の使用はあくまで補助的な手段として捉えましょう。
酢を使った治療方法(希釈法・原液法)の具体的な手順
酢を使用して水虫の症状を抑えるためには、正しい方法で行うことが大切です。以下の手順で行うと、安全に効果的に使えます。
希釈法
- 38~40℃のぬるま湯を用意し、1Lのお湯に対して50mlの酢を加えます(10倍希釈)
- 足を10~15分間、用意した希釈酢に浸ける
- 浸け終わったら、タオルでしっかりと拭き取ります
原液法
- 酢を温めて40℃前後にします
- 温めた酢をビニール袋に入れ、足首まで浸かるようにします
- 10分程度放置し、その後タオルで拭き取ります
※ただし、原液は肌に刺激が強いため、短時間で済ませましょう
どちらの方法も、毎日続けることで症状の改善は期待できます。酢の使用はあくまで補助的な治療法として活用しましょう。
酢を使う際のリスクと肌への影響
酢を使用する際には、いくつかのリスクや注意点があります。まず、酢は強い酸性のため、濃度が高すぎると肌に刺激を与える可能性があります。
具体的には、以下の点に注意してください。
- 希釈が必要:特に敏感肌の方は、必ず10倍以上に薄めて使用すること。
- 肌の反応を確認:使用前に少量を肌に試して異常がないか確認し、赤みやヒリヒリ感がある場合はすぐに使用を中止しましょう。
- 長期間の使用が必要:酢での治療は効果が見られるまでに時間がかかり、数週間以上継続することが必要です。ただし、効果がない場合はすぐに皮膚科を受診することが重要です。
これらのポイントを守りつつ、酢を水虫対策として使用することは可能ですが、必ず皮膚科での診断と併用することをおすすめします。
妊娠中に水虫を酢で撃退しようと考えている妊婦さんへ
妊娠中は免疫力が低下しやすく、足が蒸れやすいので水虫になる方が多いです。
身重で病院に行くのも億劫だし、かといって妊娠中は薬の使用に制限があるため、市販の水虫薬を利用するのもなんだか怖い…そこでお酢をはじめとした自然療法に頼るケースが増えるようです。
ですが先にお伝えしたとおり、お酢には水虫菌を撲滅させるチカラはありません。
水虫が軽症の場合はある程度効果があるかも知れませんが、やはり補助的な対策として利用するにとどめたほうが無難です。
病院に行くことがしんどい場合は、市販の水虫薬を利用するしかないと思います。薬剤師さんに相談してご自身に合ったお薬を利用されることをおすすめします。
民間療法で水虫を治す際の注意点【アルコールや軽石の効果も検証】
アルコールや軽石など、他の民間療法が効かない理由
結論から言うと、アルコールや軽石を使った水虫治療は効果がありません。
アルコールは細菌やウイルスに対しては高い消毒効果を持ちますが、水虫の原因である白癬菌は真菌(カビ)です。このため、アルコールでは白癬菌を殺すことができません。
実際、アルコール消毒をしても水虫は治らず、逆に皮膚が乾燥して悪化することもあります。
また、軽石を使って足をこする行為も危険です。軽石でこすって皮膚を削ると、角質に小さな傷がつき、そこから白癬菌が入り込んで感染が悪化する可能性があります。
水虫治療では、無理に角質を取り除こうとせず、医薬品での治療が基本です。
効果的な水虫ケアと清潔・乾燥の重要性
水虫治療の基本は、清潔と乾燥を徹底することです。
白癬菌は環境中に広く存在しますが、足に付着してもすぐに感染するわけではありません。菌が角質層に侵入するまでには時間がかかるため、1日1回しっかりと足を洗うことで予防が可能です。
洗う際は、やさしく手で洗い、角質を過度に削らないように気をつけましょう。削りすぎると逆に肌に傷ができ、菌が侵入しやすくなります。
白癬菌は湿った環境を好むため、足を常に乾燥させることです。効果的なケアのポイントは以下の通りです。
- 足を清潔に保つ
毎日、石けんとぬるま湯で足を洗い、しっかりと乾燥させましょう。 - 靴下と靴のケア
通気性の良い靴を選び、靴下は吸湿性のある素材を使うことが効果的です。また、靴下をこまめに交換し、靴は定期的に消毒して乾燥させましょう。 - 抗真菌薬を使う
市販の水虫薬や皮膚科で処方される薬を、毎日欠かさず塗布することが治療の基本です。
冬でも油断しない!季節を問わずできる水虫対策
冬でも水虫が悪化する理由
多くの人が「水虫は夏だけに悪化する」と思いがちですが、実は冬でも水虫は悪化することがあります。
なぜなら、冬でも足は汗をかきやすく、ブーツや厚手の靴で蒸れるため、白癬菌が繁殖しやすい環境が整うからです。
さらに、寒い季節には足のケアが疎かになることが多く、シャワーだけで済ませたり、足を十分に乾燥させないことが原因で水虫が悪化することがあります。
冬場でも、しっかりと足を洗い、乾燥させる習慣を続けましょう。
ブーツや厚手の靴下が白癬菌を増やすリスク
冬に履くブーツや厚手の靴下は、足を温かく保つためには便利ですが、足が蒸れて湿った状態を作り出します。これは白癬菌にとって理想的な環境です。
足が蒸れることで白癬菌が活発になり、水虫の再発や悪化を招くリスクがあります。対策としては以下のポイントに気をつけましょう。
- 通気性の良い靴を選ぶ:冬でも通気性のある靴を履き、長時間ブーツを履く際は、途中で靴を脱いで足を乾燥させることが効果的です。
- 靴下をこまめに交換:足が蒸れやすい靴下は、日中こまめに交換して、足の湿気を防ぎましょう。
パンプスやストッキングを日常的に履く若い女性は足が蒸れやすく、菌が繁殖する環境を作り出してしまいます。
特にブーツを履くことで足元の湿度が高まり、菌にとって理想的な環境になります。こまめに靴を脱いで換気し、履き回しを心がけることが予防の鍵です。
なぜ「水虫には酢」と言われるようになったのか?
「水虫には酢」と言われるように理由は、酢には殺菌効果があるためです。
それを裏付けるように、福岡県立大学看護学研究紀要「表皮上の細菌数は酢による処置で大幅に減少する(芋川 浩氏)」にて、「100%原液食酢綿」でも 70%エタノール綿と同程度の消毒効果があることがわかったとの報告がなされています。
>>>福岡県立大学看護学研究紀要参照(PDFが開きます)
確かに酢には殺菌効果、菌の増殖を抑える効果があるのですが、皮膚の奥まで根を張った水虫菌を殺すまでには至らないということになります。
民間療法で水虫の足を竹酢液に数時間つけ、これを1週間続けたことで皮がむけて症状が治まったという話もあります。
しかしそれは、酢の効果で皮膚表面がボロボロになり、皮膚表面の水虫菌が一緒に剥がれ落ちることで効果があったように見えただけです。
お酢を専門的に販売しているタマノイ酢株式会社のホームページでは、40℃のお湯にお酢を2~3倍に薄め、20分ほど足を浸すことによって菌が死滅することが謳われています。
しかし、水虫を治療するプロである皮膚科医は、この民間療法を否定しています。水虫を治そうとお酢に足を浸けてひどくかぶれて来院される患者さんもなかにはいるようです。
水虫になったからといって、コレをやっても効果はありません
バスマットを日干ししても効果なし
水虫の原因である白癬菌は60度以上もする高熱でしか死滅しません。そのため、太陽の直射日光程度の熱では死滅しないんです。
じゃあどうすればいいのか?というと、結論はバスマットを洗濯することです。
ここで「洗濯機の中に水虫菌が残らない?」と心配されるかも知れませんが、そこは大丈夫です。その他衣類に付着する可能性は少ないので安心してください。
水虫の人が入った後のお風呂のお湯を入れ直しても効果なし
お風呂のお湯の温度って、最高でも42度くらいですよね?(それでもかなり熱いですが)・・・で、先程書かせていただいたとおり、白癬菌が死滅するのは60度以上。
確かに温度だけ見ると心配になりますが、お湯の中にある白癬菌があなたの足(や身体)に付着して感染することはほとんどありませんので何も心配することはありません。
わざわざお湯を入れ直す必要はありません・・・とはいえ、「何か気持ち悪い!」というのが本音でしょうから、水虫の人には最後にお風呂に入ってもらうようにしましょう。
家族に水虫の感染者がいる場合は、スリッパや足拭きマットの共有を避け、水虫の人には専用のスリッパを使ってもらいましょう。
また、靴下は目の細かいものを選ぶと、菌の侵入を防ぐことができます。家の中では定期的に掃除を行い、垢や菌の除去を心がけることで、感染リスクを減らすことができます。
水虫の治療は時間がかかる!正しい対策でしっかり治そう
水虫を治すには時間がかかります。足の水虫なら最低でも1か月、爪の水虫は半年以上の治療が必要です。
なぜなら、見た目で治ったように見えても、菌がまだ皮膚や爪の奥に残っている可能性があるからです。
特に夏に悪化しやすい足の水虫は、秋になって一時的に治ったように感じるかもしれませんが、放置すると翌年の夏に再発してしまいます。
足の水虫は再発に注意
足の水虫は、通常2週間程度で症状が軽減することがありますが、これはあくまで表面的な回復に過ぎません。
水虫菌は肌の奥深くに潜んでいることが多く、完全に取り除くためには、最低でも1か月間の治療が必要です。
放置すると、再発のリスクが高まるため、症状が治まったように見えても、医師の指導のもとで継続的に治療することが大切です。
爪の水虫は根気が必要
爪の水虫は、治療に半年以上かかることが一般的です。爪の伸びるスピードは遅いため、健康な爪が完全に生えそろうまでには1年近くかかる場合もあります。
早く治したい気持ちがあるかもしれませんが、爪の健康を取り戻すには、長期的な治療を続けることが鍵です。
おすすめの水虫撃退法
水虫を撃退するためには、市販薬や処方薬を使用し、治療を途中でやめずに継続することが重要です。
また、治療中は足を清潔に保ち、乾燥させることも大切です。さらに、爪の水虫に対しては、専用の薬を使って根気強く治療を続ける必要があります。
酢のような民間療法に頼らず、医師の指導のもとで正しい治療法を選択することが、最も効果的な方法です。
管理人の水虫体験
私の体験談ですが、過去に2度水虫になっています。初めての水虫体験が、インフルエンザでずっと布団で寝ていた時です。
風呂にも入れず、布団の中でムレたのが原因で水虫になったのだと思います。その後は足の皮がむけた痛みでどうしようもなかったです。
インフルエンザで病院にかかり、さらに水虫でわざわざ皮膚科に行くのも面倒だったので、当時CMで宣伝していた「ブテナ●●●」使用。
ところが、水虫部分がジュクジュクになり、さらに足の皮がむけて痛みがひどくなり、結果的に皮膚科に行きました。
病院に助けを求めたことで3日ほどで水虫はキレイになり完治。殺菌力が強い水銀が入っている薬を処方いただいたおかげです。
やっぱり皮膚科に行って塗薬をもらうのが一番だと痛感しました。あなたも水虫になってしまったら、真っ先に皮膚科へ行かれることをおすすめします。
「安く簡単に済ませたい」と安易な方法を取ってしまったばかりに、水虫の治りが遅くなってしまった、よけいに水虫を悪化させてしまった・・・ということのないようご注意を!
まとめ
「ためしてガッテン」での検証により、酢を使った水虫治療では完治は難しいことが明らかになりました。
酢には殺菌効果があるため、症状の改善は期待できますが、根本的な治療には抗真菌薬の使用が必要です。
水虫を治すには、酢をあくまで補助的に使い、早めに皮膚科を受診して適切な治療を受けましょう。
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